さて、三岐鉄道三岐線の撮影及び乗車を終えた私は、近鉄富田駅から、近鉄名古屋線の急行電車に乗り換えて弥富へ移動した。
弥富は、近鉄名古屋線の駅から3分ほど歩いたところに、JRと名鉄の弥富駅がある。前日、Twitterを見ていたら、弥富駅近くに、関西本線の下り列車を順光で撮れる場所がある事を発見。東京へ帰る前に、DD51が牽引する貨物列車を撮影したことは、既に弊ブログでも取り上げているが、ここ弥富では、もう一つ、撮影しておきたい車両が有った。それは、211系0番台車である。
JR東海が所有する211系0番台車は、4両編成2本。今から32年前。1986年11月1日に実施された、国鉄最後のダイヤ改正で、東海道本線及び中央本線の快速列車増発用として製造された。当時は、西武鉄道の6000系が纏っているような青+白の帯であり、関東の211系とは、イメージが大きく異なる外観だった。青帯の211系は、私が中学三年生の時、修学旅行の為に京都へ向かう際に乗車した、東海道新幹線の車内から偶然にも目撃したが、青帯の211系は、当時のTOMO少年の目に、とても新鮮に見えた事は、今でもはっきりと覚えている。
あれから30年以上が経過。JR東海では、国鉄形車両の置き換えが進み、今では、この211系0番台車が、新幹線車両も含めても、現役最古参車両となってしまった。そして、国鉄を知る最後の車両とも言える。
211系0番台車、現在は、神領車両区に配属され、朝と夜のみ、関西本線の運用に就いている。まさに「余生を過ごす」と言う言葉が相応しい使われ方である。いつ313系に変わってしまっても不思議ではない状況だけに、DD51の貨物列車を撮影した後、211系0番台車が現れるまで、弥富で待つ事にした。
弥富駅を発車。一路、桑名へ向かう211系0番台車K51編成。
この日、撮影出来た211系0番台車は、K51編成。「51」と言う編成番号からして、トップナンバーではないかと思いたくなるが、先頭車は、クモハ211-2。理由は解らないが、何故か、トップナンバーの方が、K52編成を名乗っている。
ちなみに、この列車は桑名行きと言う事で、すぐに折り返してくる。幸いなことに、名古屋方面へ戻る次の列車が、桑名から折り返してくるK51編成だったので、この編成で、名古屋へ戻る事にした。最後部車両である、クモハ211-2に乗車するが、車内はガラガラ。
車内には、懐かしいシートが並ぶ。
空いていたボックス席に腰を下ろす。車内の座席は、懐かしいエンジ色の座席で、このシートはデビュー当時のまま。関東でも211系は、数を減らしたとは言え、まだまだ現役であり、乗車する機会もあるが、座席は変わっており、この色の座席は、本当に久しぶり。
化粧板のネジの正体は・・・
そして、窓の下。化粧板には、複数のネジが・・・この車両が登場した頃は、4両編成のうち、タバコが吸えない禁煙車は1両しかなく、残り3両は、車内でタバコを吸う事が出来た。その為、この位置には灰皿が設置されていた。しかし、JRに移行した後、普通列車の全面禁煙化が実施され、灰皿が撤去された。こんな所にも、国鉄の匂いを感じる事が出来る。
国鉄時代を思い出しながら、私は名古屋駅へ。この車両が引退する時には、デビュー当時の青帯姿にしてくれたら・・・そんな事を考えながら、新幹線で東京へ向かった。
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