伊豆箱根鉄道 大雄山線5000系の甲種輸送を撮影する その2
9月7日午後のお話です。
熱海駅で、伊豆箱根鉄道5000系の甲種輸送を撮り終えた私は、そのまま3番線へ移動し、12時56分発、東海道本線の普通列車浜松行きに乗り込んで、甲種輸送を追跡する。
3番線に待機していたのは、211系の3両編成。トイレなし、ロングシートの車両と言う事で、乗り鉄の皆さんからは、大変不評な車両。このような列車で長旅する事を、よく「修行」と仰る方が多い。確かに、旅情感は感じられないかもしれないが、混雑している時だったら、ロングシートの車両の方が、着席しても、ほんの少しだけ足を伸ばせるので、私自身、ロングシートの車両での長距離移動は、それほど嫌ってはいない。それよりも、トイレが無い方が・・・
列車は、熱海駅を発車して2分ほどで、丹那トンネルに突入する。長いトンネルを抜けると、そこは函南駅。ここで、再び、伊豆箱根鉄道5000系の甲種輸送に追い付くので下車。浜松行きの発車を見届けてから撮影を開始する。
函南駅に停車中の伊豆箱根鉄道5000系甲種輸送列車。
まずはホーム上から何枚か撮影してみる。撮影中、ふと周りを見てみると、見覚えのある人が・・・よくイベント会場などで御見かけするChakeshi @たいちょ~さんだった。まさか、こんな所でお会いするとは思っていなかったのでビックリ。以降、暫くの間、行動を共にすることになる。
ホームでの撮影を終えると、私は、いったん、ここで改札を出場する。甲種輸送は、この函南駅で暫くの間停車する事は解っていたので、駅の外からの撮影を考慮し、予め、小田原駅から函南駅までの乗車券を購入しておいた。きっぷを自動改札機に投入して、いざ駅の外へ。駅前の道を真っすぐ三島方向へ向かい、駅近くの大竹踏切へ。ここから停車中の甲種輸送列車を撮影してみた。
大竹踏切から停車中の甲種輸送列車を撮影してみる。(開いている踏切内から撮影)
この大竹踏切は、東海道本線が、熱海駅からJR東海の管轄となって最初に通過する踏切である。函南駅からの距離は、大した距離ではないのだが、駅から歩いて行った場合、かなりアップダウンがあり、駅からここまでの往復だけで、たっぷり汗をかいてしまった。
この後、修善寺へ向かう特急「踊り子」が通過するので、大竹踏切から急いで函南駅へ。ホームの中ほどから、伊豆箱根鉄道5000系と「踊り子」との並びを撮影してみた。
函南駅で伊豆箱根鉄道5000系と185系「踊り子」が並んだ!
弊ブログでもお伝えしているように、JR東日本の185系は、新型特急型車両E353系の中央本線特急列車への投入により捻出されるE257系への置き換えが決まっており、既に波動用車両から置き換えが始まっている。いずれは、この「踊り子」にも、置き換えの動きが出てくる筈。こんなシーンもいつまで見られるか。この並びの撮影には、ちょっと気合が入った。
この後、下りの普通列車に乗り込み三島駅へ先回り。ここで甲種を出迎えるつもりだった。しかし・・・
三島駅に到着した時、外は激しい雨が降っており、ホームの上屋があるところでも、横から吹き付ける雨で濡れてしまう。とりあえず、地下通路を経由して南口改札口へ向かい、ICカードをタッチして出場するが、雨が激しく降っている為、すぐ隣の伊豆箱根鉄道三島駅へ移動するのも辛い状況。雨が小降りになるのを待つ事にした。
10分ほど待って、ようやく小降りになったので、伊豆箱根鉄道の三島駅へ移動。三島田町駅までの乗車券を購入して、ホームに入場する。既に、甲種輸送列車は、JR三島駅の1番線に入線しており、EF65と3両のコキは、伊豆箱根鉄道5000系からは切り離された状態だった。そして、伊豆箱根鉄道の三島駅には、タイミング良く、こんな車両が停車していた。
三島駅で並んだ1300系。
元西武鉄道新101系を譲り受けた、伊豆箱根鉄道1300系。現在、1300系は3両編成2本が在籍しており、御覧のように、左側の1301Fは、2016年12月より、西武鉄道新101系としてのデビュー当時のカラーに改められ、「イエローパラダイストレイン」として運行している。この日、1300系は2編成とも運用に就いており、こうして三島駅で2編成が並ぶと言うシーンを見る事が出来た。
ちなみに、1301Fが停車している7番線は使用頻度が低く、日中は、殆どが8番線・9番線を使用している。しかし、この日は、甲種輸送が実施されている為、この時間帯、9番線を使わない事から、7番線と8番線で1300系同士の綺麗な並びを撮る事が出来た。
さて、1300系同士の並びを撮り終えたら、今度はJRのホームも良く見える、9番線へ向かう。この時点で、三島~大場間を牽引する、伊豆箱根鉄道の電気機関車は、まだ三島駅に到着していない。9番線のホーム上には、機関車の到着を待つ撮り鉄さんが多数集まっていた。私は、ホームの中ほどで待つ事にした。
三島駅9番線に到着したED33。
9番線、ホームの中ほどで待つ事およそ3分。14時05分頃になるが、9番線に、三島~大場間の牽引を担当する電気機関車、ED33が到着。停車するのを待って、JRの1番線、静岡方に引き上げている、EF65+コキ3両を入れて撮影してみた。
JR三島駅1番線に停車中の伊豆箱根鉄道5000系5502F。
9番線に到着したED33は、この後、5502Fが待つ、JR三島駅1番線へ入線するための入替が行われる。JR三島駅に入線するためには、いったん修善寺方へ引き上げる必要がある。大雄山線と違って、駿豆線は、甲種輸送があっても、定期列車は時刻通り運転するため、入替も、定期列車の合間を見て行わなくてはならない。ED33は、いつ動くのか。入替が始まったのは、ED33の到着から40分近くが経過した頃だった。
5502Fが待つ、JR三島駅1番線へ向かうED33。
手元の時計で14時50分頃のこと。ED33が、5502Fの待つJR三島駅1番線へゆっくり進んで行った。
5502Fと連結!
9番線のホーム上から連結作業を見届けた後、私は移動を開始する。Twitterに上がっていた情報によると、大雄山線5000系の甲種輸送は、途中の三島田町駅で約40分間の停車時間があると言う。この停車時間を、上手く利用すれば、三島~三島田町間、三島田町~大場間と、計2回撮影チャンスがある。そこで、三島駅14時53分発の修善寺行きに乗車。三島田町駅へ向かう事に。
14時58分、三島田町駅に到着。改札を出場し、向かったのは、駅から徒歩1分。駅からすぐのところにある、線路沿いの側道。ここでは、三島田町駅3番線に入線する甲種輸送が真正面から撮れる。車内から見た時、撮り鉄さんの姿はなく、この地点には、私が一番乗りだ。やがて、後続の電車が到着すると、一人、また一人と人が増えてきた。14時53分の列車に乗ったのは正解だった。
三島田町駅に入線するED33+5502F。
現地到着からおよそ25分。15時26分頃になるが、ED33+5502Fが、ゆっくり近付いてきた。三島田町駅の手前で、どこか撮れる場所が無いか。ストリートビューでチェックして、ここからならば迫力ある写真が撮れそうだと思い、ここへ来て見たのだが、大正解だった。
この後、三島田町駅に戻り、後続の修善寺行きで、大場へ先回りをするのだが、三島田町駅へ戻ると、下り列車よりも一足早く、上り列車が到着。
三島田町駅に到着したイエローパラダイストレイン。
三島駅で撮影したイエローパラダイストレインが、修善寺から戻って来たので、3番線に停車中の5502Fを入れて撮影してみた。
この直後、下りホームには修善寺行きが到着。先頭車両に乗り込み、車内から撮影地をチェックする。目指すのは、大場駅手前の有名撮影地なのだが、大勢の撮り鉄さんが待機していた。そこで、大場駅到着後、15分ほど歩いて、一番人が少なかった、北沢林道踏切へ向かう。
イエローパラダイストレインの修善寺行き。
北沢林道踏切に到着してからおよそ5分後のこと。イエローパラダイストレインによる修善寺行きがやって来た。そして、この列車の後が、甲種輸送となる。
北沢林道踏切に差し掛かるED33+5502F。
イエローパラダイストレインの通過からおよそ5分。手元の時計で16時09分頃になるが、ED33+5502Fがゆっくり近付いてきた。
後追い。ゴールの大場まではあと少し。
5502Fの甲種輸送の撮影は、これにて終了。ただ、この後も、沿線で撮りたい車両があったので、少しずつ、大場駅に戻りながら、撮影を続ける事にした。
1300系1302Fによる修善寺行き。
甲種輸送に続いてやって来た下り修善寺行きは、1300系1302F。この列車を、北沢林道踏切から大場駅方向へ向かって2つ目の踏切から撮りたかったのだが、思った以上に時間が無く、1つ目の踏切からの撮影となってしまった。
軌道線復刻カラーになった3000系3501F。
駿豆線開業120周年を記念して、3000系3501Fを、1963年まで運行していた三島軌道線の路面電車のカラーに変更。6月より運行している。この日、この編成も何度か目撃していたので、東京へ帰る前に撮っておきたいと思っていたのだが、40分ほど待って、ようやく撮影する事が出来た。
時刻は既に17時を過ぎてしまった。3501Fを撮り終えた私は、大場駅へ向かって歩き出す。途中、大場工場の前を通ったが、公道上から見たところ、この日甲種輸送されてきた5502Fや、同編成の牽引を担当したED33の姿は確認できなかった。おそらく、建屋に入ってしまったのだろう。
私はそのまま大場駅へ。駅の手前で、イエローパラダイストレインの三島行きとすれ違った。この日、1300系が2本続けて運転している事は、何度も目撃しており、この時点で、私が大場駅から乗る車両は特定する事が出来た。最近では、私の地元、西武多摩湖線でも、伊豆箱根鉄道創業100周年コラボレーション電車が走っており、大場駅から1300系に乗り込んでも、何となく多摩湖線に乗っているような雰囲気だった。
三島駅からは、東海道新幹線に乗り換え新横浜へ。新横浜からは、横浜線・京浜東北線と乗り継いで関内へ。この日は、関内駅近くの鉄道とサッカーの店、新横浜機関区で開催された飲み会に出席する事になっており、寄り道。集まった仲間たちと鉄道談義をしてから帰宅した。
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