「ちちぶ車両基地酒場2018in横瀬」が開催される
約1か月前、11月17日のお話です。
西武鉄道は、毎年、11月の上旬に、「西武トレインフェスタin横瀬車両基地」と称したイベントを開催していたが、今年は、毎年8月の最終土曜日に開催されていた、南入曽車両基地の一般公開を、11月上旬に開催時期をずらし、横瀬車両基地の公開は行わないこととなってしまった。年に一度、合法的に横瀬車両基地に入れるチャンスが失われてしまい、このまま横瀬車両基地に入れるチャンスが無くなってしまうのか・・・そう思っていた矢先、「ちちぶ車両基地酒場2018in横瀬」の開催が発表された。このイベントは、11月17日と18日の2日間、横瀬車両基地に、秩父地域のお酒と名物ローカルフードを一堂に会して、秩父のシンボル、武甲山を眺めながら、秋の一日を楽しむと言う大人向けのイベント。今年3月に廃車となり、横瀬車両基地で最期の時を待つ、9101Fも一部車両を開放し、車内で飲食が出来ると言う。
9101Fに会える最後のチャンス。これは行かなくては・・・私は、事前にネットで1日目の11月17日のチケットを入手。当日、午後から、横瀬車両基地を訪れた。
「ちちぶ車両基地酒場」が開催されている、横瀬車両基地へ。
駅から歩くこと、5分少々。車両基地の入口を入る。いつものイベントだと、鉄道ファン及び家族連れで賑わっているが、アルコール類を提供するイベントと言う事で、まず、この位置に立つと、いつもよりも静か。そんな印象を受けた。
留置中の40000系。
元町・中華街~西武秩父間を走る「S-TRAIN」に充当された40000系40103F。夕方の上り列車充当までの間、この横瀬駅構内で御昼寝となる。普段は立ち入る事が出来ない、横瀬車両基地の構内からカメラを向けると、御覧のように、順光で撮影が出来る。
留置中の40000系を撮った後、車両基地の奥へと進んで行く。
貫通扉が外された9101Fとカバーが一部捲れてしまったE854。
車両基地到着後、通路上からも留置中の9101Fを撮影したが、更に進んだところでも撮影してみる。廃車回送から、既に半年以上が経過し、ピンク色を纏った車体は退色が進み、更に、クハ9001は、正面の貫通扉が外され、ブルーシートで覆われている。外された貫通扉は、事故で貫通扉を損傷した2000系に転用したという説もあるが、真相は不明。
この後、受付で、予め印刷しておいたPDFチケットを渡して、QRコードを読み取ってもらい、入場券とお酒やローカルフードと引き換えできるチケットを受け取り、会場内へ。早速、地ビールを味わう事に。列に並んで、4種類ある中から、カボス味の地ビールを選択。これがとても美味しかった。
解体間近の9101Fの車内へ。
会場では、屋外にも飲食スペースが設けられていたが、解体待ちの9101Fの一部車両が解放されているので、もちろん、9101Fの車内へ。間もなく解体作業が始まることから、どの車両も部品はかなり外されていた。また、車両への寄せ書きも行われていた為、車体や窓ガラスなどには、様々な寄せ書きが書かれていた。
わが青春の思い出の車内で、地ビールを味わう。
昨年度から廃車が始まった9000系。この車両が登場したのは1993年のこと。当時は、池袋線・新宿線共に、3ドア車が幅を利かせており、混雑緩和の為に、3ドア車の淘汰が進められていた。しかし、2000系の増備は、1992年で終了していた為、池袋線は、将来の営団地下鉄(現在は東京メトロ)有楽町線との相互乗り入れに備えて、地下鉄乗り入れに対応した6000系を増備する事で、3ドア車の置き換えを進めていた。一方の新宿線は、2000系に代わる車両として、101系の足回りに、新2000系と同等の車体を載せ、更に6000系と同等の車内設備を備えた9000系を登場させ、3ドア車を置き換えていく事になった。
9000系のデビュー当時、私は、昼間、小平市内で働き、夜は水道橋の大原簿記学校へ通うと言う生活を送っていた。通学には、西武新宿線とJRを使っていたが、当時は、往復とも、新宿線では少数派だった301系に当たる事が多く、飽きるほど、301系には乗っていた。9101Fが10両化して、新宿線に投入されると、帰りが遅くなった時に乗車していた急行本川越行きが、401系と301系の混結10両編成から、9101Fに置き換えられた。新2000系みたいな車両なのだが、走り出すと床下からは101系のモーター音が聞こえてくると言う変わった車両には、当初、かなり違和感を感じたが、3ドア車ばかり乗車していたので、だんだん慣れてくると、9000系に当たる時は、何となく嬉しく感じるようにもなった。
あれから25年。あの時輝いていた9101Fは引退。そして私は40代半ばに。お互い歳を取ったな。当時の思い出に浸りながら、地ビールを味わった。
この後、せっかく横瀬車両基地の中に入っているので、普段は撮れない場所から列車を撮ろうと、再び車外へ。
横瀬車両基地の横を通過する10000系10111F。
タイミング良く、まだ撮影していなかった、「アイドルマスター シンデレラガールズ」のラッピングが施された10111Fが通過すると言う事で、車両基地の中から撮影してみた。実は、この列車以外にも、「52席の至福」を撮影してみたのだが、派手に白飛びしてしまい大失敗。呑む前に撮れば良かったのかも。
モハ9301の側面には芸術作品が・・・
10111Fを見送った後、改めて解体目前の9101Fを撮影する。3号車、モハ9301の側面には黙々と絵を描き続ける人が・・・
クハ9101側から編成全体を見渡す。ありがとう。9101F!
そして、光線状態も良いので、最後に解体線の先端から9101Fを撮影する。最後に順光で9101Fが撮れて、本当に良かった。これだけでも、このイベントに来た甲斐があった。
この撮影を以て、ちちぶ車両基地酒場のイベント会場から撤収。私は、西武秩父へと向かい、駅近くの焼鳥省松さんに立ち寄ってから帰宅した。
さて、9101Fのその後についてですが、このイベントが終了した翌日から、解体・搬出作業が始まった。
一部車両が搬出された9101F。(2018年12月3日撮影)
12月3日、秩父へ向かう際、乗車していた西武秩父線の列車内から、留置中の9101Fを撮影してみた。御覧のように、既に1~4号車が解体・搬出を終えて、姿を消しており、この時点で残っていたのは5~10号車の6両。何とも寂しい姿となっていた。
9101F、お疲れ様でした。
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