さよなら富士急５０００形 「トーマスランド号」 運行終了

約２週間前。２月２４日のお話です。

中央本線の大月から、都留市、富士山を経て、河口湖までを結ぶ富士急行線。１９７５年に登場し、２０１９年１月現在、最後の富士急自社発注車両、５０００形電車「トーマスランド号」が、引退することとなり、この日、ラストランを迎えた。

繁忙期の土曜日と言う事で、この日も私は午前中仕事の為、出勤していた。お昼過ぎ、仕事が終了。富士急５０００形の事が頭から離れず、今から大月へ行けば、最終列車に間に合う事を確認。立川駅から、Ｅ３５３系による特急「かいじ」に乗り込み、大月へ向かった。３月１６日のダイヤ改正から、中央本線の特急列車は、全列車座席指定に、そして、定期列車は、全てＥ３５３系に統一される。おそらく、最初で最後のＥ３５３系による自由席車両の利用となったが、初めて乗車したＥ３５３系は、とても快適だった。

立川から、およそ４０分で大月着。お目当ての富士急５０００形は、２番線に停車していた。まずは、到着した３番線から、停車中の富士急５０００形を撮影してみる。

大月駅２番線に停車中の富士急５０００形「トーマスランド号」

最終日を迎えた、富士急５０００形。最終日らしい装飾がされているのかとばかり思っていたが、御覧のように、引退を示すような装飾は一切なく、普段通りの姿。１９７６年度の鉄道友の会ローレル賞を受賞した、輝かしい経歴の持ち主ではあるが、結果的には１編成のみで終わり、淡々と富士急行線内を走って来た、５０００形らしい最後なのかもしれない。

この後、改札を出場し、駅近くの踏切まで行ってみる。陽が当れば、停車中の５０００形が順光で撮れるのだが、タイミング悪く、雲が掛ってしまった。それでも、暫く待つと、何とか日が出てきて、好条件となってきた。

２番線で出発を待つ、富士急５０００形。

そして、大月駅構内には、もう一つ、気になる車両が留置してあった。１番線に停車していたフジサン特急の発車を待って、この車両も合わせて撮影してみる。

京王時代のカラーを纏う、１０００形１００１Ｆとの並び。

京王帝都電鉄５０００系を譲り受けた１０００形・１２００形。こちらも、ＪＲ東日本の２０５系改め６０００形の入線により、数を減らしてきており、今や貴重な存在に。この１００１Ｆは、京王時代、譲渡前の車両番号まで再現されている。

当初は、大月駅で手短に撮影した後、上大月駅付近まで徒歩で移動し、河口湖へ向かう５０００形を撮影する予定だったが、駅近くの踏切で、雲が切れてくるのを待っていたら、上大月駅付近まで移動する時間が無くなってしまった。そこで、駅からも近い歩道橋の上から、河口湖へ向かう５０００形を撮影する事にした。

大月駅を発車。河口湖へ向かう５０００形「トーマスランド号」

１６時１５分、１００１Ｆに見送られながら、５０００形「トーマスランド号」が、河口湖へ向けて走り出した。５０００形にとっては最終列車だし、後追いも出来ればと思い、歩道橋上で振り向いて狙ってみたが、後追いは失敗に終わってしまった。

この後、私は、大月駅近くの踏切へ再び移動。

京王リバイバルカラーの１００１Ｆを、もう一度撮影する。

５０００形が出発して、人が少なくなった大月駅。留置線に停車していた１０００形１００１Ｆにも、陽が良い感じに当たっていたので、この車両も改めて撮影してみた。

半ばＥ３５３系のお試し乗車感覚で大月までやって来た私。帰りは、普通列車で高尾まで。残念ながら、ロングシートの２１１系だったが、高尾までなら、ロングシートでも充分。途中駅で特急列車に追い越される事もなかったので、普通列車でも快適だった。

最後に、過去に撮影した富士急５０００形のうち、未公開画像２枚をご紹介して、この記事を締めたいと思います。

雪が残る富士急線内を行く５０００形「トーマスランド号」。（２０１５年１月１７日撮影）

西陽を浴びながら河口湖を目指す、富士急５０００形「トーマスランド号」。（２０１８年３月１０日撮影）

２枚とも、富士急では最も有名な撮影と言っても良い、三つ峠～寿間での撮影。この区間は、ほんの少し移動しただけでも、全く違うシーンに撮れて、しかもキャパも余裕がある事から、私のお気に入り撮影地の１つであります。

なお、引退した５０００形は、モハ５００１号車が下吉田駅構内で保存されるとのこと。長い間、お疲れ様でした。