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消えゆく石炭輸送列車

JR鶴見線の扇町駅と、秩父鉄道の三ヶ尻駅とを結ぶ石炭輸送列車。弊ブログでは、これまでに、何度か、この列車のことを取り上げているが、2020年3月14日に実施されるダイヤ改正で廃止されることが、1月9日、神奈川新聞の報道により明らかとなった。

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2020年3月のダイヤ改正で、廃止されることが明らかとなった、国内最後の石炭輸送列車。(2018年9月6日撮影)

20両にも及ぶ黒い貨車を連ねた姿は、まさに圧巻で、2018年3月のダイヤ改正からは、扇町行き5764列車が、新鶴見~扇町間を、新鶴見機関区所属のDE10またはDE11がけん引するようになり、鉄道ファンからの注目度が更に上がった。

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秩父鉄道線内は10両ずつ、2回に分けて輸送される。(2017年9月11日撮影)

JR線内とは対照的に、秩父鉄道線内、熊谷貨物ターミナル~三ヶ尻間(三ヶ尻駅構内の構造上の都合により武川駅で折り返し)は、10両ずつ、2回に分けて運転されている。秩父鉄道が所有する、カラフルな電気機関車との組み合わせも、この列車の魅力の一つとなっていた。

廃止まで、残り2か月少々。国内最後となった石炭輸送列車を、出来る限り、記録していきたい。

さて、廃止報道から2日が経過した1月11日のこと。お天気は曇り気味であったが、三連休初日ということもあり、石炭輸送列車の撮影に出かけることにした。目指したのは、秩父鉄道の三ヶ尻線。今年は、オリンピックイヤー。秩父鉄道は、東京オリンピックの聖火リレーの際に、五輪の色を再現した電気機関車の五重連を計画しており、塗装変更した機関車と、石炭輸送のホキ10000との組み合わせが撮れたら良いなぁという気持ちで、現地へ向かった。

貨物時刻表を見ると、武川を経由して、三ヶ尻を目指す石炭輸送列車は、熊谷貨物ターミナルを9時24分に出発。武川駅には9時39分に到着することになっていた。そこで、三ヶ尻~武川間、秩父鉄道の本線と合流する地点へ、9時30分頃までに行けるように、自宅を朝7時過ぎに出発。熊谷から秩父鉄道線に乗り換え、武川駅の1駅手前、明戸駅で下車。ここから10分ほど歩き、三ヶ尻線と本線との合流地点付近に辿り着いた。明戸駅から現地へ歩いている間は、時刻通りに石炭輸送列車が来るかどうか、確証はなかったが、現地に到着すると、既に先客がお一人。どうやら何らかの貨物列車が来ることは間違いないと解り、ホッとする。しかし、武川駅到着時刻の9時39分が近付いても、列車がやって来る気配がない。やや不安になりながら待っていると、少しずつ、撮り鉄さんたちの車が到着。追っ掛け組の存在で、列車の通過時刻が迫ってきていることを感じた。

そして、時刻は9時40分頃のこと。三ヶ尻線の踏切が鳴り出し、前方から電気機関車の姿が見えてきた。近付いてきたところで、撮影を開始するが・・・

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デキ506が牽引する鉱石列車。

やって来たのは、石炭輸送列車ではなく、お馴染みの鉱石列車。ホキではなくヲキだった。季節柄、電気機関車のパンタグラフも2基上昇しているし、これはこれで良いのだが、ホキ10000目当てだったので、ちょっとガッカリ。

ただ、Twitterでは、前日の扇町発5783列車の目撃情報が上がっていたので、貨物時刻表では2本目の石炭輸送列車となる、熊谷貨物ターミナル12時00分発の便が運転されることは、間違いないだろうと予想。気を取り直して、武川駅方向へ移動し、約30分後に来る、三ヶ尻行きの鉱石列車の撮影に備えることにした。

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デキ504が牽引する三ヶ尻行き鉱石列車。

手元の時計で10時12分頃のこと。三ヶ尻へ向かう鉱石列車が、武川駅を発車。同列車を牽引していたのは、ピンク色のデキ504だった。初めて、ピンクに塗られたデキ504を見たときは、やや抵抗があったが、見慣れたせいもあるのか、こうして鉱石列車の先頭に立つ姿を見ても、違和感を感じなくなってきた。

この後、昼過ぎの石炭輸送列車まで、まだ2時間近くある。時間もたっぷりあるので、撮影場所を、熊谷貨物ターミナル~三ヶ尻間に移動することにした。私は、武川駅から、まずは列車で熊谷駅へ向かうことに。その際、車内から、広瀬川原車両基地に停まっていた、ある車両を撮影することにした。それは・・・

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黄色一色に塗られたデキ502。(列車内から撮影)

最近になって、黄色一色に塗り替えられたデキ502。1月2日に、武州原谷駅構内に留置中のデキ502を目撃していたのだが、武州原谷駅では、留置場所が悪く、あまり良い写真は撮れなかった。この日は、広瀬川原車両基地内に留置中のところを、先に目撃していたため、武川駅からの移動の際、車内から、デキ502の姿を撮影しておきたいと思っていた。

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旧秩父鉄道色を纏っていた頃のデキ502。(2017年9月11日撮影)

ちなみに、デキ502は、2016年5月から2019年11月頃まで、かつて1000系などで見られた、黄色+茶色帯の旧秩父鉄道色に塗られており、個人的には、この色が気に入っていた。黄色一色も悪くないが、旧秩父鉄道色の黄色よりも、色が濃く感じられる。

さて、熊谷駅からは高崎線に乗り換えて、一駅、籠原へ。ここから歩くこと、およそ10分。三ヶ尻線の撮影ポイントへ向かう。現地には、既に先客がお一人。到着後、撮影準備をしていると、後から3人、撮影者がやって来た。どうやら昼の便では、ホキ10000の姿を拝むことができそうだ。

11時40分頃のこと。予定よりも20分ほど早いが、踏切が鳴り出した。そして・・・

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デキ103が牽引する石炭輸送列車。

貨物時刻表よりも、約20分ほど早く、石炭輸送列車がやって来た。先頭に立つのは、デキ103。なんと、この記事の冒頭でご紹介した写真と、全く同じ機関車。そして、ほぼ同じ位置での撮影となった。しかし、撮影した季節が異なるため、今回はパンタグラフ2基上昇。まあ、比較にもなるし、これはこれで良かったと言える。

午後も、石炭輸送列車が運転される可能性が高かったが、この日は、他にも予定があったため、お昼前の便までで撮影は終了。秩父鉄道沿線から撤収することにした。デキ103牽引による石炭輸送列車が通過した10分後には、雲もなくなり快晴に。あと10分、列車の通過が遅ければ・・・

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