西武９０００系 ９１０３Ｆが横瀬車両基地へ回送される

１２月１日、レッドラッキートレインとして親しまれ、池袋線の優等列車で活躍を続けてきた、９０００系の９１０３Ｆが横瀬車両基地へ回送された。

多摩湖線、国分寺駅のホームドア設置工事の進行状況、そして、ＳＮＳ上でも１１月いっぱいで検査切れではないか等と言うような話も目にしていたこともあり、そろそろ池袋線の運用を離脱するのではないかと思い、運用離脱２日前となった１１月２９日、所沢周辺で９１０３Ｆを撮影したのだが、この日の撮影が、同編成の１０両編成での営業運転を撮影した最後の撮影となってしまった。


１２月１日に横瀬車両基地へ回送された９１０３Ｆ。（２０２０年１１月２９日撮影）

急行池袋行きとして、池袋へ向かう９１０３Ｆ。この日、９１０３Ｆは、この列車で池袋到着後、折り返し準急西武球場前行きとして西武球場前へ向かった後、西所沢行きとなり、そのまま小手指車両基地へ入庫して、この日の運用は終了となっていた。そこで、この撮影を終えた後は、そのまま西武球場前へ。

下山口～西武球場前間を行く９１０３Ｆ。

池袋からの準急列車として西武球場前へやって来た９１０３Ｆ。この場所は、西武球場前駅から徒歩１０分ほどの場所で、場合によっては、折り返し列車に備えて、方向幕を変えてしまっていることもあるのだが、準急西武球場前行き表示のまま、ここまで来てくれた。

 
折り返しの西所沢行きで、この日の営業運転は終了。

約１０分後、各停西所沢行きとして戻って来た９１０３Ｆ。この日の営業運転は、この列車を以て終了。最後に、１０両編成の９０００系では、見る機会が少ない各停運用を記録できたことは良かったと思う。

そして、運命の１２月１日。９１０３Ｆは横瀬車両基地へ回送された。

当日、私は、所沢駅を１１時５１分に出発する特急「ちちぶ１３号」に乗車し横瀬へ向かった。


  住み慣れた小手指車両基地を出庫する９１０３Ｆ。（ちちぶ１３号車内より撮影）

「ちちぶ１３号」が小手指駅を通過した直後の事。車両基地から出てきた９１０３Ｆを、「ちちぶ１３号」の車内から捉えることが出来た。

９１０３Ｆに先行する形で横瀬へ向かった私。横瀬駅到着後は、駅から２０分ほど歩いて、生川橋梁が見渡せるポイントへ。


生川橋梁を渡る９１０３Ｆ。

１３時４４分頃のこと。９１０３Ｆの回送列車が生川橋梁を通過した。池袋線・狭山線で優等列車を中心の運用に就いていた９１０３Ｆ。武蔵丘から先は、同編成にとって初入線であり、この橋梁を通過するのも１０両編成では最初で最後。

撮影後、横瀬駅へと戻るが、その道中、車両基地の搬入口付近で、入替作業中の９１０３Ｆを撮影してみた。


到着後、早速入替を開始。

御覧のように、早くも、転用される１・２・９・１０号車と、廃車になる３～８号車とに分けるための準備が始まっていた。

そして、横瀬駅に戻った後、ホーム上から、暫くの間、観察を続けることに。すると・・・


Ｄ１６号機関車に牽引された９１０３Ｆの９・１０号車。

横瀬車両基地の入替作業を担当するＤ１６号機関車が、９１０３Ｆの９・１０号車、モハ９９０３とクハ９００３の２両を牽引して近付いてきた。この後、クハ９１０３とモハ９２０３が待機している線へ転線。


解体搬出される３～８号車と転用される１・２・９・１０号車に分けられた９１０３Ｆ。

Ｄ１６号機関車により転線されたモハ９９０３とクハ９００３の２両は、待機していたクハ９１０３とモハ９２０３に連結され、解体搬出される３～８号車と、転用予定の４両とに完全に分けられた。この時点で時刻は１５時０８分。Ｄ１６号機関車が切り離されるかと思い、暫く待っていたのだが、動き出す気配がなかったため、同駅１５時２８分発の西武秩父行きに乗り込み、横瀬から撤収した。

９１０３Ｆが横瀬車両基地へ回送されてから１週間後、多摩湖線と牽引業務を牽引する１０１系２６３Ｆが、１２月８日、横瀬車両基地へ回送された。２６３Ｆは、４連化された９１０３Ｆと連結して留置されているとのこと。転用される４両が、どのような姿で多摩湖線に転用されるのか、同編成の今後の動きを見守っていきたいと思います。