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相鉄21000系 東急電鉄貸出に伴う甲種輸送を撮影する

2022年度下期の開業を目指して、工事が進められている相鉄・東急直通線。

相鉄・東急直通線は、羽沢横浜国大駅から新横浜駅を経て、東急東横線・目黒線の日吉駅までを結ぶ連絡線で、この連絡線の開業により、相鉄は、既に開業しているJR埼京線との直通ルートに次ぐ、第二の都心直通ルートが誕生する。そして、新横浜駅へ乗り入れることにより、相鉄沿線及び東急沿線からの東海道新幹線へのアクセスが、大幅に向上する。

連絡線開業まで、残り1年少々。ついに、大きな動きが・・・ 相鉄の車両が、東急に貸し出されることになった。既に多くの鉄道会社と相互乗り入れを行っている東急でも、相鉄の車両を操るのは、今回が初。当然の事ながら、開業までの間に、覚えなくてはいけないことが沢山ある。2013年3月、東急東横線の渋谷駅が地下化され、東京メトロ副都心線との相互乗り入れを開始した時も、それより前に、地下化により相互乗り入れを行うことになった、東京メトロ副都心線の10000系や7000系、東武鉄道の50070系や9000系、西武鉄道の6000系と言った車両が、事前に東急電鉄に貸し出され、中には先行して営業運転を行った車両もあった。今回も、相互乗り入れ前の準備の一環での貸し出しであるが、ここで一つ問題が・・・ それは、まだ相鉄の車両が、東急電鉄の線内に直接入れないことである。渋谷駅の地下化に関しては、東京メトロ副都心線と同じ車両を使用している東京メトロ有楽町線が、東急目黒線と相互乗り入れをしている東京メトロ南北線と、連絡線で繋がっていることから、有楽町線・南北線・東急目黒線と経由して車両を送り込んでいたが、相鉄と東急とでは、東京メトロの線路を経由した、自力運転による回送が出来ない。

そこで、実施されたのが、JRの線路を利用した送り込み。相鉄は厚木駅(貨物専用)で、東急は長津田駅で、JRの線路と繋がっているため、甲種輸送により送り込むこととなった。厚木から長津田まで、それほど遠い距離ではないのだが、厚木駅と長津田駅の有効長の関係から、8両編成を一度に運ぶことが出来ず、厚木~相模貨物間と、八王子~長津田間は、4両ずつに分割して輸送するため、厚木駅を9月21日に出発し、最後の車両が長津田駅に到着するのは、9月24日と計4日間の長丁場となる。

制約の多い、相鉄21000系の甲種輸送。相模貨物駅で再び8両編成となって八王子駅までの輸送が、なんと祝日の9月23日の日中に行われることになった。これは是非とも記録しておきたい。9月23日、私は、中央本線の多摩川橋梁へ向かった。日野駅から徒歩で多摩川の河川敷へ。現地に到着したのは、甲種輸送の通過1時間前だが、既に多くの鉄道ファンが集まっていた。先行列車を撮影しながら、河川敷でのんびりと相鉄21000系の甲種輸送を待つことにした。

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中央本線多摩川橋梁を通過する、相鉄21000系の甲種輸送。

10時59分、相鉄21000系の甲種輸送が、多摩川橋梁を通過した。この日、相鉄21000系の甲種輸送を牽引してきたのは、新鶴見機関区に所属するDE10 1666号機。長津田駅での入替の都合で、普段行われている東急電鉄の甲種輸送でも、八王子~長津田間は、ディーゼル機関車での牽引となっており、機関車の送込みを兼ねて、ディーゼル機関車牽引での運転となった模様。JR貨物のDE10は、新型のDD200形への置き換えが決定しており、相鉄の新型車両を牽引して、中央本線を走る姿は、ある意味、貴重なシーンと言えるかもしれない。

多摩川橋梁での撮影を終えた私は、甲種輸送を追跡するために日野駅へ向かう。タイミング良くやって来た高尾行きに乗車し八王子へ。相鉄21000系は、既に4両ずつに分割されていた。

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八王子駅での入替作業を、乗り換え専用の跨線橋から撮影してみる。

11時25分、八王子駅の乗り換え専用跨線橋からカメラを向けてみると、DE10 1666号機は、既に機回しを終えて、連結作業を始めるところであった。跨線橋からの撮影は手短に済ませて、横浜線のホームへ移動する。

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連結作業を終えて、八王子駅で一泊する4両と並んだDE10 1666号機。

八王子駅も祝日と言う事で、多くの鉄道ファンが駆け付けていた。私自身は、甲種輸送より先行するため、ここでは最低限の撮影だけに留めるつもりでいた。少しずつ、DE10が停車している位置に近付き撮影。そして、撮影後は、6番線に停車していた横浜線の快速桜木町行きに乗り込んで、先を目指すことに。駅間の撮影地に行く余裕はなさそうだと思い、八王子駅から二駅目となる、八王子みなみ野駅に目的地を絞った。この駅は、ホーム幅も広く、撮影はしやすいが、それほど光線状態がいいとは言えない駅なので、人が少ないだろうと予想したのである。

11時35分、八王子みなみ野駅に到着。予想通り、この時点でホームの先端には鉄道ファンが5名と少なめ。とりあえず、場所を確保し、先行列車を撮影しなが待つことに。そして・・・

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八王子みなみ野駅に進入する、DE10 1666号機+相鉄21000系。

11時59分、DE10 1666号機が牽引する、相鉄21000系の甲種輸送が、八王子みなみ野駅にやって来た。撮影後、カメラの画面で確認してみると、思ったよりも良い感じに撮れていた。(あくまでも自画自賛です)

この後、後続の各駅停車東神奈川行きに乗り込み、長津田へ向かう。12時33分、長津田駅に到着すると、ここも多くの鉄道ファンが駆け付けていた。DE10 1666号機+相鉄21000系は、隣の側線に停まっていたが、あまりに人が多いので、少し人が少なくなってから撮影しようと、ホームのベンチで様子を見ていたら、八王子方にある東急の側線へ押し込むために行ってしまった。慌ててカメラを取り出し撮影に臨んだが、人を交わすためにライブビュー機能を使ったためにピントがなかなか合わず、撮影には失敗してしまった。

仕方なく、改札を出て、相鉄21000系が押し込まれた側線が見渡せる跨線橋へ移動する。跨線橋にたどり着いた時には、既にDE10は切り離され、JRの構内に戻っていた。

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側線に押し込まれた相鉄21000系。

架線のない側線に押し込まれた21000系は、この場所で暫く過ごすことになる。いつ動くのか、全くわからないまま、更に、線路沿いの道を進むことに。すると、相鉄21000系と、その横を進む東急田園都市線の電車と並べて撮れそうな場所を発見。暫くの間、この場所に留まり、走り去る田園都市線の電車との組み合わせを撮影することにした。

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東急田園都市線の主力車両、2020系との並び。

まずは、東急田園都市線の主力車両、2020系との並び。2018年3月より運行を開始した2020系。2020年に東京オリンピックが開催されること(新型コロナウイルスの影響により1年延期)と、2022年に東急が創業100年を迎えることに合わせて、2020系と言う形式になった。JR東日本のE235系をベースに、総合車両製作所の横浜事業所と新潟事業所の両方で製造を担当。あっと言う間に、同線の主力車両だった8500系を置き換えていった。

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東武鉄道50050系との並び。

東急田園都市線と相互乗り入れをしている、東京メトロ半蔵門線は、2003年から東武伊勢崎線(スカイツリーライン)と相互直通ん店を開始しており、東武鉄道の車両も、東急田園都市線へ乗り入れることになった。この50050系は、東武鉄道が所有する、半蔵門線との相互直通運転用車両としては二代目の車両である。

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東急大井町線の急行用車両6000系との並び。

2008年3月より運転を開始した、大井町線の急行列車専用車両として登場した6000系。当初は6両編成でデビューしたが、2017年より7両編成に増強。更に、一部の編成には、優良座席指定サービス「Qシート」が導入され、ロングシートからクロスシートへ転換可能な車両と差し替えており、この編成は、オレンジ色の車体が3号車に連結されているので、「Qシート」連結編成である。大井町線は、溝の口駅発着であるが、一部の急行列車は、田園都市線に直通し、中央林間まで運転されており、こうして相鉄21000系との並びを撮ることができた。

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東京メトロ半蔵門線の8000系との並び。

半蔵門線用車両として、1980年から1994年にかけて製造された東京メトロ8000系。この度、次世代車両である18000系が営業運転を開始し、廃車が始まっている。まだまだ見かける機会も多いが、相鉄21000系との並びは、貴重な記録になりそう。

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東急8500系との並び。

長年、田園都市線の主役として、通勤・通学輸送を支えてきた東急8500系。2020系への置き換えが進み、何と残り3本とのこと。たまたま近くにいた方が、もうすぐ8500系が来ると教えてくださり、相鉄21000系との並びを撮影した。

近くにいた方の話によると、相鉄21000系の入替は、夜になりそうと言う話を聞き、東急8500系との並びを撮り終えたところで、この場所から撤収することにした。そして・・・

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役目を終えて、長津田を後にするDE10 1666号機。

14時00分、役目を終えたDE10 1666号機が、新鶴見機関区へ戻るため、長津田駅を発車。八王子方面へと走り去っていった。

この後、私は、長津田駅構内の「しぶそば」で昼食を摂った後、田園都市線で溝の口へ。ここから南武線に乗り換えて矢川へ。矢川~西立川間の撮影地へ向かう途中、矢川三号踏切で踏切待ちをしていると・・・

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南武線矢川駅付近を走行するDE10 1666号機。

長津田から、新鶴見機関区へ戻るため、八王子・立川と経由し、南武線を走行するDE10 1666号機と、再び遭遇した。なお、矢川~西立川間で撮影した列車に関しては、この次の記事で取り上げる予定です。

そして、夕方、相鉄21000系の残り4両の様子を見に、八王子へ行ってみた。

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ビックカメラ前の留置線に入った相鉄21000系の残り4両。

残った4両は、ビックカメラ前の留置線に留められていた。八王子らしさを出すため、背後に中央線のE233系を入れて撮影してみた。この撮影を以て、相鉄21000系甲種輸送の撮影を終了とした。

留置線で一夜を過ごした相鉄21000系の4両は、DE11 2002号機に牽引され、長津田へ向かいました。その後、8両編成に組み直され、Twitterには、車両基地内で試運転を始めたとの目撃情報もアップされています。ただ、本線上を走るには、もう少し時間がかかるかもしれません。

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