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西武2000系 2063Fと2411Fが横瀬車両基地へ廃車回送される

11月2日、西武池袋線を中心に活躍してきた2063Fと、西武新宿線を中心に活躍してきた2両編成の2411Fが、横瀬車両基地へ廃車回送された。

既に40000系の今年度最終増備車である40157Fも入線しており、玉突きで、廃車となる車両がいつ出てもおかしくない状況。今回は、2016年に廃車となった2097F以来、5年ぶりとなる新2000系からの廃車発生となった。

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横瀬車両基地へ廃車回送された2063F。(2021年9月19日撮影)

2063Fは、1990年、東急車輛で製造された車両。東急車輛で作られた新2000系では、初の8両固定編成で、新宿線に投入されたものの、池袋線の4ドア化推進に伴い、2061Fと共に池袋線へ異動。以後、約30年に亘り、池袋線系統で活躍してきた。

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快速池袋行きとして、池袋線の複々線区間を行く。(2021年5月16日撮影)

しかし、30000系等の新型車両の投入により、新宿線から一緒に転じた2061Fや、その後に池袋線へ直接投入された所沢工場製の2065F、2067F、狭山線用に配属されていた4両編成の2531F、2533Fが新宿線へ異動すると、中期型と呼ばれるドアの窓が角ばった大型窓のタイプの車両は、池袋線では2063Fのみとなってしまった。

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急行飯能行きとして複々線区間を行く。(2021年5月16日撮影)

池袋線では、5年前に廃車となった2097Fと同様、異端車としての扱いだったのか、他の2000系で見られるような、パンタグラフの削減や座席へのスタンションポールの設置が行われておらず、車内は、扉付近へのつり革増設以外は、デビュー当時の面影を色濃く残している。撮影する側から見ても、パンタグラフが8両編成で6基上昇。そして、行先表示も幕式という事で、撮りがいのある車両であったが、この度、残念ながら廃車となってしまった。

一方、2両編成の2411Fに関しては、先月廃車となった2407Fと同様、増結車と言う性質上、気が付いたら連結されていたというパターンが多く、意識して2411Fを撮影した機会は少ない。

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西武新宿方に連結され、10両編成の先頭に立つ2411F。(2021年8月20日撮影)

一番最後に2411Fを撮影したのは、今年8月20日のこと。この頃、2401F、2407F、2411Fの3本に使用されていたフルカラーLEDの行先表示器が新2000系の2両編成3本に移植され、行先表示器が幕式のものに戻されていた。置き換え時期が迫っているという事を実感させる出来事であったが、幸運にも、2411Fに関しては、交換後、すぐに好条件で撮影することができた。

2063Fと2411Fが手を組んで横瀬車両基地へ。しかし、直近まで、2063Fは小手指車両基地に、2411Fは南入曽車両基地にいた。その為、どちらかの編成が事前に回送されることになるのだが、先に動いたのは、南入曽車両基地にいた2411Fだった。廃車回送前日となる11月1日の夜、2411Fは、2095Fと組んで、南入曽車両基地から小手指車両基地へ回送された。

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所沢駅を発車する2095F+2411Fの回送列車。

21時14分、2095F+2411Fの回送列車が、所沢駅4番ホームに入線した。2411Fは池袋・本川越方に連結されていたため、急いで、ホームの池袋・本川越方に移動するが、3番ホームには池袋行きが入線してきており、ホームの端にたどり着いたころには、2095F+2411Fは、小手指に向けて動き出すところであった。

そして、廃車回送当日。私は、廃車回送に先行する形で移動を開始する。

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小手指車両基地で2063Fと連結した状態で朝を迎えた2411F。

池袋線下り、飯能行きの車内から、小手指車両基地を見てみると、既に2411Fは2063Fと連結されていた。新製時の配属先が新宿線だった2063Fにとって、2411Fと連結するのは約30年ぶりという事になるのだろうか。そして、2411Fと共に小手指車両基地入りした2095Fは、同じ線路の飯能方、車両基地の先端に突っ込んだ状態で留置中。扉の窓に貼られた広告がすべて剥がされていることから、2095Fは、2063Fの代替として、池袋線へ転属と見て間違いなさそうである。

私は、飯能から西武秩父行きの電車に乗り換え高麗へ。向かったのは、駅から飯能方へ10分ほど歩いた、国道299号線のバイパスとの交差点付近。バイパスの開通により、撮影がしやすくなり、10両編成も撮影することが出来る。所沢を出た時点で曇り気味だったこともあり、この場所を選択したのだが、現地に着くと、どんどん天気が回復して逆光になってしまった。

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東飯能~高麗間を行く2411F+2063Fの廃車回送。

10時36分、2411F+2063Fの廃車回送がやって来た。単線区間を行く10両編成。この場所で見ると、やはり長く感じる。

この後、ここでご一緒した方の車に乗せていただき武蔵横手駅へ。2411F+2063Fの廃車回送は、武蔵横手駅で上り列車2本と交換するため、暫く停車する。私は、武蔵横手駅の飯能方にある、高麗6号踏切から、上り列車との交換シーンを撮影した。

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4000系の各停飯能行きと交換。

まずは1本目となる4000系の飯能行き各停と交換。飯能から先、西武秩父駅以外は、ホームが8両分しかない(正丸は立ち入り禁止エリアを含めると10両いけそうな気もするが・・・)ため、2411Fがホームからはみ出して停車しているのが、この場所からでも良く解る。

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ラビューと交換。

続いて、上り特急「ちちぶ22号」との交換。今のところ、ラビューは池袋線系統のみの運行のため、旧2000系とラビューの並びは、とても新鮮に見える。

この後、私は、線路沿いの道を少しだけ進んだ先にある坂を上がって、ヤギの家付近へ。武蔵横手駅は、西武鉄道がECO活動の一環として、ヤギを飼っており、草刈り係として活躍しているが、そのヤギの飼育エリアの手前まで入れることが出来るので、その場所から、走り去る廃車回送を撮影する。

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武蔵横手駅を発車する2411F+2063Fの廃車回送。

10時56分、2411F+2063Fの廃車回送が、武蔵横手駅を発車した。

この後、急いで駅へ戻り、後続の西武秩父行きに乗車する。この列車は、途中の吾野駅で廃車回送を追い越すため、西吾野~横瀬間で、もう一度、廃車回送が撮影できる。私は、西吾野駅で降りて、構内踏切付近から、廃車回送を撮影することにした。

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西吾野駅に進入する2063F。

2003Fの廃車回送の時と同じように、最後は、2063Fがトンネルを出て来るところを撮影。線路沿いのススキを入れることで、少しだけ秋らしさを出してみた。

この後、私は、後続の列車で横瀬へ。11時56分、横瀬駅に到着。ここまで乗車してきた西武秩父行きが発車した後、構内踏切付近から2411F+2063Fを撮影してみるが・・・

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横瀬駅に到着し、車両基地への入替を開始した2411F+2063F。

既に自力での構内移動は終了し、車両基地内の入替を担当するD16号機関車により、一旦、解体線に向かうところであった。

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アントに牽引され、再び戻って来た2411F+2063F。

その後、15分ほどして、アントに牽引された2411F+2063Fが戻って来た。

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アントに連結されたクハ2064。
 
こんな小さな入替機で、10両を引いたり押したりするのが凄いなあと、この入替作業を見る度に思う。

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モハ2363

アントに引かれて、私の目の前まで戻って来た時、パンタグラフ搭載車のモハ2363を撮影してみた。2063Fの廃車により、8両固定編成のパンタグラフ2基搭載編成は消滅となる。

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アントにより、解体線へ押し込まれる。

アントによる入替を見届けた後、私は、改札を出場し、徒歩で車両基地の搬入口付近へ。

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解体線に入った2411F+2063F。

車両基地を見渡せる道路の歩道から、解体線に入った2411F+2063Fを撮影してみる。そして、ご覧いただいている画像の右端に見える2000系は、およそ1か月前、10月5日に廃車回送されてきた2001Fの西武新宿方先頭車、クハ2001。トップナンバーと言う点が考慮されたのか、この車両だけが搬出を免れ、横瀬に残った。

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車両基地の搬入口から、ライブビュー機能を使って撮影。

日が出てきた時を見計らって、車両基地の搬入口付近へ。ライブビュー機能を使って、解体線の2411F+2063Fを撮影してみたが、1か月前と同じく、雑草を交わすことはできなかった。

この撮影を以て、車両基地の搬入口より撤収。液へと戻ることに。

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クハ2001。

搬出されずに残ったクハ2001を撮影してみるが、正面から撮れる場所は少なく、ご覧いただいている画像も、かなりトリミングしている。Twitter等によると、数日前までは解体線に置かれていたようだが、2411F+2063Fの廃車回送に合わせて、この場所に移って来た。

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駅近くの公道から。

正面からではなく、背後からという事であれば、駅近くの公道から、撮影が可能な状態。ご覧のように、貫通路はベニヤ板で塞がれている。現段階で、西武鉄道からの正式な発表はないが、トップナンバーのクハ2001が、この状態で残されているという事は、保存を前提とした留置であることを信じたい。

ここまで撮影したところで、横瀬から撤収。入線してきた西武秩父行きに乗り込んで、西武秩父駅へ移動した。

2063Fと2411F、長い間、お疲れ様でした。

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