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秩父鉄道 旧型客車特別運行の「パレオエクスプレス」を撮影する

「都心から一番近い蒸気機関車」として、1988年から運行している、秩父鉄道のSL「パレオエクスプレス」は、 C58 363号機が、今年2月19日に製造から80年を迎えた。傘寿を祝う特別企画として、4月13・14・20・21日に運転される「パレオエクスプレス」を、JR東日本ぐんま車両センターに所属する旧型客車で運転されることになった。

秩父鉄道の「パレオエクスプレス」は、1988年の運行開始から1999年までは、旧型客車を使用しており、C58 363号機と旧型客車のコンビは、約25年ぶり。これは是非とも撮っておきたい。

運転に先立ち、4月11日の朝、旧型客車の送込み回送が運転された。

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デキ105と連結し、寄居駅で出発を待つ旧型客車の回送列車。

秩父鉄道に貸し出された旧型客車は、4月11日の未明、DD51 842号機に牽引され八高線を南下。寄居駅から秩父鉄道へ入線する。広瀬川原車両基地までの牽引担当として現れたのは、2021年10月、製造時のカラーに塗り替えられたデキ105。茶色の旧型客車を茶色の電気機関車が牽引するという、回送列車とは言え、最高の演出となった。

私は、寄居駅での撮影を手短に済ませた後、上りの各駅停車に乗り込み先回り。大麻生~明戸間の陸橋で待機することに。

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デキ105に牽引され、大麻生~明戸間を行く旧型客車の回送列車。

9時14分、デキ105に牽引された旧型客車の回送列車が近付いてきた。茶色い電気機関車が茶色い旧型客車を牽引する。最高の組み合わせである。

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近付いてきたところで、更にもう一度。

更に近付いてきたところで、機関車次位のスハフ32をしっかり撮りたいと思い、架線柱を交わしてもう一度撮影してみた。

この回送列車を撮るために、陸橋上には、多くの鉄道ファンが集まった。撮影後、余韻に浸りながら撤収作業をしていくが、気が付けば、周りの皆さんは速やかに撤収。自分は最後から二番目といった状況だった。そんな私も、撤収後は、徒歩で広瀬川原車両基地へ向かったが、私が到着した時には、旧型客車の入替は終了していた。それでも、広瀬川原車両基地では、予想もしていなかったものが撮れたので大満足。この日は、この後、大麻生駅近くで桜と7800系さくら号の組み合わせ等を撮って、秩父鉄道沿線から撤収した。

そして9日後の4月20日。私は、旧型客車による「パレオエクスプレス」を撮るために、秩父鉄道沿線へと出かけた。まずは、熊谷駅への送込み回送を撮るため、ひろせ野鳥の森駅へ向かう。この送込み回送は、3月30日に「SLトリックアート有隣倶楽部開館1周年記念号」を撮影しているが、混雑を考慮して、この時よりも早めにひろせ野鳥の森駅へ向かったが、予想をはるかに超える人出だった。それでも、何とか撮影場所を見つけ、送り込み回送の通過を待つことに。

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デキ105に牽引され熊谷へ向かう、SLパレオエクスプレス編成。

9時53分、デキ105が牽引するSLパレオエクスプレスの送込み回送がやって来た。普段は、デキ201の出番なのだが、旧型客車に合わせたのか、デキ105が充当された。4月11日の広瀬川原車両基地までの回送列車は、デキ105のパンタグラフは1基のみ上昇していたが、今回は2基上昇。こう言った変化も嬉しくなる。

この後、ひろせ野鳥の森駅から下りの各駅停車に乗り込み、「パレオエクスプレス」より先行する。列車内から沿線の撮影地を見てみると、どこもそれなりに混み合っている。そんな中、撮影地として選んだのは、小前田駅手前の直線区間。人は多いが、それなりに撮れそうと判断した。

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ふかや花園~小前田間を行く「パレオエクスプレス」

10時46分、「パレオエクスプレス」がやって来た。この日、牽引機のC58 363号機には、煙室扉に「PALEO EXPRESS」の装飾が実施されていた。1990年代に見られた装飾で、旧型客車で運行されていた頃の「パレオエクスプレス」の姿を再現していた。

撮影後は、急いで小前田駅へ戻る。たまたま撮影地でお会いした方から、この後、続けて下りの各駅停車が来ると教えてもらった。息を切らしながら駅へ向かうと、なんとか間に合った。この下り列車のことは想定してなかったため、ここで予定よりも1回多く撮影が可能となった。であれば、ちょっと冒険してみよう。私は、波久礼駅で下車。国道140号線の歩道から「パレオエクスプレス」を撮影することにした。この場所、最近は、上りの「パレオエクスプレス」の撮影のため訪れる機会が多くなったが、ここで下り列車を撮るのは、今回が初めて。元々、大型トラックなどが来てしまえば、完全にアウトな撮影地であり、ある意味、ここで撮るのは賭けでもある。そんな撮影地なので、この場所で待機していた人は少なかった。

現地到着からおよそ5分後の11時16分、「パレオエクスプレス」が近付いてきた。

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波久礼~樋口間を行く「パレオエクスプレス」

「パレオエクスプレス」の接近と共に、国道にも車が・・・万事休すかと思ったが、車の通過の方が早く撮影成功。隣で撮影していた人と、思わずガッツポーズ。撤収後、波久礼駅までの道のりも足取りが軽かった。

波久礼駅からは、再び後続の各駅停車で「パレオエクスプレス」を追跡。秩父駅で追い越し、秩父駅からは「パレオエクスプレス」より先行する形となる。向かった先は、武州中川駅。駅から急いで撮影地へ向かう。あまり時間が無く、途中から走って移動し、何とか間に合った。

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浦山口~武州中川間を行く「パレオエクスプレス」

12時38分、「パレオエクスプレス」がやって来た。この場所、晴れていれば順光で撮れる筈なのだが、運悪く曇ってしまった。

撮影後は、ゆっくり歩いて武州中川駅へ戻る。この後は、三峰口へ向かわずに、上り「パレオエクスプレス」撮影に備えて、秩父・熊谷方面へ戻ることにした。まず、上りの各駅停車に乗り込み御花畑駅で途中下車。駅前のラーメン店で昼食を摂り、再び上り各駅停車に乗車。向かったのは上長瀞駅。下り「パレオエクスプレス」を3回撮影して疲れてしまったため、午後の上りは、上長瀞1本に絞ることにした。駅に隣接した踏切で「パレオエクスプレス」を待つことに。

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上長瀞駅に進入する「パレオエクスプレス」

15時03分、「パレオエクスプレス」が鉄橋を渡って来た。鉄橋を通過し、上長瀞駅に進入する「パレオエクスプレス」は、予想以上に煙が出ていて良い感じ。

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走り去る旧型客車を後追い。

この日の「パレオエクスプレス」の撮影は、予定通り上長瀞で終了。ここからは下りの各駅停車で御花畑へ。いつもの秩父鉄道撮影時と同じように、焼鳥「省松」さん で一人反省会。後から上長瀞で出会った関西在住の方も合流し、交流を深めることが出来た。

そして翌日。旧型客車で運行される「パレオエクスプレス」最終日。この日は、午後から予定が入っていたため、前日のように1日乗車券を使わずに秩父鉄道沿線へ。西武新宿線、東武東上線と乗り継いで寄居へ向かい、寄居から秩父鉄道に乗車。前日も訪れた小前田の撮影地へ向かった。

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ふかや花園~小前田間を行くデキ四重単。

10時13分、デキ302を先頭に、デキ507、デキ502、デキ301を繋げたデキ四重単がやって来た。運休していた鉱石列車の運転再開に向けて、機関車を送り込むための回送列車である。

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後追い。

デキ四重単は、武州原谷まで運転され、武州原谷到着後は、デキ302+デキ507が、そのまま三輪線、三輪鉱業所まで運転された模様。う~ん、そちらも撮りたかったなあ。

そして・・・

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ふかや花園~小前田間を行く「パレオエクスプレス」

10時49分、「パレオエクスプレス」がやって来た。前日とは異なり、この日、C58 363号機は装飾なし。旧型客車との組み合わせであれば、装飾なしの方が良いと個人的には思っているので大歓迎。急遽、予定を変更して、もう少し追跡しようかと思ったのだが、前日の通過時刻よりも3分遅く、遅れている模様。その為、駅へ戻る途中に、後続の下り各駅停車が来てしまった。この後の列車に乗っても、秩父より先に行けば、もう一度撮影は可能だが、そうなると、本来予定していた目的地へ向かう時間が遅くなるため、追跡はせずに、午後の目的地へ向かうため、小前田駅からは上り列車に乗車。熊谷方面へ向かった。

二日間にわたって撮影した旧型客車による「パレオエクスプレス」。C58 363号機の傘寿企画は、この後も続くようで、次は門鉄デフ(CH-2タイプ)仕様にするとのこと。こちらも楽しみです。

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