西武多摩川線へ向かう101系247Fの甲種輸送を撮影する
約3ヶ月に一度の割合で実施されている、西武多摩川線の車両交換に伴う甲種輸送。2024年第3回目の甲種輸送が、9月14日から15日にかけて実施された。今回の甲種輸送では、多摩川線からツートンカラーの245Fが本線側に戻ることとなり、逆に、多摩川線へは、赤電カラーの247Fが送り込まれる事になっていた。多摩川線から戻って来る245Fは、2023年9月9日から10日にかけて行われた甲種輸送で、多摩川線入りしてから、およそ1年ぶりの帰還。そして、多摩川線に向かう247Fは、今年6月15日から16日にかけて実施された甲種輸送で本線側に戻って来ていたが、今回、およそ3か月ぶりに多摩川線へ向かうことになる。
9月14日、私は、多摩川線に向かう247Fの甲種輸送を撮影するため外出する。まず向かったのは、お馴染み所沢陸橋。現地に着いたのは、通過のおよそ10分前。暑いし、屋外で長時間待ちたくないとい考えがあるとは言え、相変わらずギリギリのタイミング。
263Fに牽引され、新秋津へ向かう247F。
11時52分、263F+247Fが所沢陸橋に近付いてきた。黄色+赤電と言う組み合わせからか、 所沢陸橋には多くの鉄道ファンが集まっており、待機していた人数に驚いてしまった。今回の甲種輸送は、9月13日と9月15日に、小手指車両基地で、甲種輸送の編成を再現した有料撮影会も企画されていたことも影響しているのかもしれない。通過直前に曇ってしまったのは残念。
この後、私は、撮影地から歩いて5分ほどのところにある、山田うどん食堂の本店へ。ここで昼食を食べた後、新座貨物ターミナルへと向かう甲種輸送の撮影に臨むのだが、食事休憩中に、お世話になった鉄道ファンの大先輩の訃報が入り、激しく動揺してしまった。
気を取り直して、近くのバス停から西武バスに乗車し東所沢駅へ。駅近くの陸橋で、新座貨物ターミナルへ向かう247Fの甲種輸送を待つことにした。
EF65 2096号機に牽引され、新座貨物ターミナルに向かう247F。
13時41分、247Fの甲種輸送がやって来た。この日、247Fの甲種輸送を担当したのは、新鶴見機関区に所属するEF65 2096号機。前回に引き続き、EF65の登板となったことは有り難い。
走り去る247F。
タイミング良く、車や自転車が来なかったこともあり、急いで陸橋の反対側へ。走り去る247Fにカメラを向けてみた。
この後、もう暫く、この場に留まり、甲種輸送の後に運転されている、根岸発宇都宮貨物ターミナル行き4091列車を撮影することに。
EF210-138号機が牽引する、宇都宮貨物ターミナル行き4091列車。
13時51分、根岸発宇都宮貨物ターミナル行き4091列車がやって来た。この日、4091列車を牽引していたのは、岡山機関区に所属するEF210-138号機。0番台車充当を期待したが、この日は首都圏でもお馴染みの100番台だった。
この後、新座貨物ターミナルから折り返してくる甲種輸送を撮影するため、中央線方面へ先回り・・・と行きたいところではあるが、この日は墓参りに行くことになっており、甲種輸送の撮影は、ここで終了。東所沢駅からは武蔵野線の下り列車に乗り込み北朝霞へ。更に東武東上線に乗り換え成増へ向かう事に。道中、新座貨物ターミナルを通過するため、武蔵野線の先頭車両の車内から、新座貨物ターミナル停車中の甲種輸送の撮影に臨んだが、留置場所の関係で上手く撮れなかった。ただ、最後部車両なら撮れたかもしれないので、次回以降の甲種輸送の際には試してみたい。
墓参りの後は秋葉原へ向かい、中学時代の同級生と合流。UDXの4階で開催されていた、中古鉄道模型のフェスティバルに参戦。その後、武蔵境へと移動し、駅前の大庄水産で戦利品と旨い魚を肴に祝杯を挙げたのだが、甲種輸送の撮影を途中で切り上げたこともあり、もう一度、247Fを撮るべく八王子へ。
八王子駅構内に留置中の247F。
22時56分、八王子駅に到着。ここまで乗車してきた高尾行きが走り去った後、247Fの撮影を開始する。まずはスマホのカメラで撮影。この時、駅構内に車掌車、ヨ8000が居たことは撮影時に全く気付いていない。酔った勢いと言うのは恐ろしい。
背後に横浜線の電車を入れて撮影。
その後、ホームの東京方へ少し移動。背後に横浜線の電車を入れて、八王子らしさを出してみた。
中央線高尾行きと並べて・・・
更に、中央線下り電車とも並べて撮影。中央線の快速電車は、10月13日よりグリーン車の連結が順次行われることになっており、E233系のT編成(10両固定編成)には、ご覧のように「10CARS」のステッカーが掲出されており、グリーン車連結へ向けたカウントダウン体制に入った。今後、グリーン車が連結された編成から、順次、ステッカーが剥がされていくのではないかと、個人的には予想しており、どちらにしても「10CARS」ステッカーの掲出した姿は期間限定。この並びも貴重な光景と言える。
「はちおうじ」の駅名票と247F。
八王子駅で一旦出場、再入場をした後、上りホームへ。東京行きに乗り込む前に、「はちおうじ」の駅名票と247Fの組み合わせを撮影して、甲種輸送の撮影を終了。入線してきた改組言う東京行きに乗り込み国分寺へ。多摩湖行きの最終電車に乗り継ぎ、無事、自宅最寄り駅である八坂駅で下車。自宅に辿り着いたのは、日付が変わった後であった。
さて、この日は、食事休憩中に、鉄道ファンの大先輩の訃報が入り動揺してしまいました。西武鉄道の赤い電車にも大きく関係されている方ですので、最後に、大先輩との思い出に触れて、この記事を締めさせていただきたいと思います。
まだSNSもない時代。情報収集によく使っていたのが、インターネット上の掲示板。当時、ニフティで運営されていた鉄道フォーラムの他、個人の方が作られた掲示板もよく見ていました。西武鉄道関連では、田駄雄作さんが運営されていた「轍楽之道」と言うサイト内の「西武鉄道画像保管箱」と言う掲示板も良く見ていました。ここは、私よりも年上の方が多く参加されており、西武鉄道の赤い電車の生き生きとした写真を拝見して、幼い頃、保育園へ行く際に萩山駅近くの踏切で見送った赤い電車を思い出しました。
この日、入って来たの訃報は、「西武鉄道画像保管箱」を管理されていた、田駄雄作さん、本名、寺田牧夫さんの訃報でした。
私が、寺田牧夫さんと初めてお話をしたのは、2013年8月26日のこと。この日、「西武鉄道画像保管箱」に参加されていた方を中心とした、赤電を語る会が、保谷で開催され、私も参加させていただきました。会場に入ると、著名な方だらけで一気に緊張してしまいました。寺田さんとは席が離れていたため、一次会では殆ど話をしませんでしたが、二次会では席が隣だったこともあり、色々とお話をさせていただきました。一次会の自己紹介の時に、赤電終焉の地、萩山に生まれ育ち、今も住んでいると触れたことからでしょうか、実は寺田さんのお母様が、当時私が住んでいたマンションから、50メートルほどのところにある、有料老人ホームに入居されている事を教えていただきました。実際に、お母様とお会いすることはありませんでしたが、数年後、お母様が亡くなられた時は、葬儀も無事に済んだと、ご丁寧にメールも頂きました。
その後、掲示板よりもFacebookでのお付き合いが主流となり、公開グループの「シェア」について意見が対立したこともありましたが、何かと気にかけてくださり、ご自身が新しいグループを作れば、必ずメンバーに加えてくださったり、鉄道模型になりますが、ワールド工芸のクモル23050のジャンク品を整備したことをFacebookに投稿すれば、実車の写真を交えてコメントしてくださったり、鉄道コレクションのED14を赤く塗って、西武鉄道に一時的に貸し出されたED14 3号機を再現したら、もう少し赤が明るい色だったと、コメントしてくださったこともありました。
昨年9月、池袋で開催された、後藤文男さんの写真展「半世紀前の西武鉄道」会場で、久しぶりに寺田さんと再会。Facebookで状況は知っていたのですが、実際にお痩せになった姿を目にすると、全くの別人のように見えてしまいました。写真展会場では、多くの方と、写真を見ながら当時の思い出にふれ、そのまま昼飲み会へ。皆さんで美味しいお酒を楽しみましたが、私自身、寺田さんとお会いするのは、この時が最後となってしまいました。
亡くなられたのは、8月27日とのこと。改めて、寺田さんのFacebookのタイムラインを読みますと、亡くなる3日前には銚子に行かれていたようで、突然の急変だったのかもしれません。昨日、9月20日は、ご存命であれば74回目の誕生日。もう一度、誕生日を迎えてほしかった。そして、賛否両論ありますが、サステナ車両について、寺田さんはどう思われているのか、ご自身の口から聞きたかったですし、せめて第1編成は、ご自身の目で見てほしかったです。
寺田牧夫さん、本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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