阿武隈急行 A417系引退
旧国鉄丸森線を引き継いだ、第三セクターの阿武隈急行。
東北本線のバイパス路線として計画されるも、財政難だった国鉄の計画変更に伴い、丸森~福島間の工事が凍結されてしまったが、1986年、丸森線の廃止、第三セクター化に伴い工事を再開。1988年、丸森~福島間の開業に合わせて、非電化だった、旧丸森線の槻木~丸森間も合わせて電化し、槻木~福島間全線が交流電化開業させた。
全線開業後の阿武隈急行は、8100系電車を2両編成9本新製し、槻木~福島間の運用の他、一部は仙台や郡山にも顔を出していた。更に、JR東日本からも455系電車などを阿武隈急行線へ乗り入れさせ、相互直通運転が実施されていたが、2004年に福島~郡山間の乗り入れが中止され、以後、自社車両のみでの運転なっていた。
しかし、2008年、阿武隈急行は、JR東日本から417系電車3両編成1本を購入する事になった。417系は、地方都市圏での人口増加、通勤通学需要の増加に伴い、客車列車を置き換える目的で、1978年に登場した近郊型電車。百の位の「4」が示すように、直流電化区間・交流電化区間の両方を走れるように開発されたが、当時の国鉄の財政難などの理由から、最終的には3両編成5本しか製造されなかった。
そんな少数派の417系が、同じく国鉄の財政難で、一度は建設工事が凍結された経緯を持つ、阿武隈急行へ譲渡されると言うのは、私自身、何か因縁めいたものを感じていた。活躍の場を移した417系を一度は撮りに行きたい。そう思っていたのだが、今年3月のダイヤ改正で、定期運用を離脱。そして、5月28日、A417系のさよならイベントとして、臨時列車が3本運転される事になった。A417系を記録する、最初で最後のチャンスであるが、生憎、この日は、違うネタを追う予定だった。私自身は、このまま一度も記録することなく、A417系と別れる事になってしまうが、Twitterのフォロワーさんである、はやて@UCF31CELSIORさんが、現地へ撮影に行かれると聞き、画像の提供をお願いしたところ、快諾していただいたので、弊ブログで、A417系最後の姿をアップすることにしました。
阿武隈急行線 あぶくま~兜間を行くA417系の臨時9954M。(撮影:はやて@UCF31CELSIORさん)
はやて@UCF31CELSIORさんが撮影されたのは、A417系が使用された臨時列車3本のうち、唯一、全線通しで運転された、槻木発福島行き9954M。素晴らしいロケーションの中を行くA417系。はやて@UCF31CELSIORさん、素敵な画像を、ありがとうございました。
さて、阿武隈急行に譲渡された417系電車は、トップナンバー編成とのこと。過去に撮影した417系の画像を見ていましたら、トップナンバー編成を撮影していましたので、最後に、JR時代の417系の画像を再掲して、この記事を締めたいと思います。
快速「仙台シティラビット」に充当された、417系T-1編成。(2007年6月2日 南仙台駅で撮影)
今から9年前、2007年6月2日に、置き換え間近だった417系、455系、717系を撮影しに出かけた際、417系のトップナンバー編成であるT-1編成を偶然撮影していました。しかも、快速「仙台シティラビット」に充当中で、特製のヘッドマークを掲出しての運転。今となっては、良い思い出です。
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