4月30日のお話。
先日、被災した第三セクターを救うため、チャリティー撮影会を開催したいすみ鉄道。この撮影会の主役ともなったキハ52は、その後、試運転を重ね、営業運転開始に向けて準備が進められていた。そして、ついに、4月29日から、週末と休日を中心に、観光急行列車として、大多喜~大原間で1日2往復運転される事が決定した。いすみ鉄道の鳥塚社長がこだわっていた昭和の原風景の再現。一刻も早く、その姿を見てみたい。そう思った私は、営業運転開始2日目となる4月30日、いすみ鉄道沿線へと向かった。
この日、キハ52は、1日2往復の観光急行の運用に入る前に、大多喜~上総中野間の臨時普通列車に運用される事が、鳥塚社長のブログで発表されていた。一応、自宅を朝6時前に出れば、この列車の撮影も間に合う事は解っていたのだが、そんなに早起きする気にもなれず、結局は、東京9時発の特急「しおさい3号」で大原へ。およそ1時間10分。前回は、普通列車だけで大原に向かったが、特急に乗ってしまえば、意外と近い。
大原駅到着後、1日乗車券を購入し、10時39分発の上総中野行きに乗り込む。待機していたのは、いすみ200型の単行。さすがにキハ52が運転開始したと言う事もあり、前回の撮影会の時よりも、鉄道ファンの姿が目立っていたが、それでも、思ったよりは少ない。それよりも、観光客の方が目立っていたような気がする。特に、直前に到着した普通列車からの乗り換え客が、意外と多かった事が驚いた。この列車に乗り継ごうとしたおばさん連中が、乗車券の購入に手間取った事もあり、2分ほど遅れて大原駅を出発した。
さて、どこで撮ろうかしら。適当に車内から景色を見て、ここだと思ったところで下車して撮影と思っていた事もあり、全く撮影場所は決めていなかった。そんな中、1駅目、西大原に到着すると、何人か同業者が降りて行く。何となくつられて、私もここで下車する事に。こんな時、1日乗車券だと、思いつきで行動できるからありがたい。
西大原駅。ホーム片面の小さな駅だ。駅の上総中野方を見ると、左側にカーブしており、その先は、のどかな水田が広がっているのが見えた。まさに昭和の原風景が広がっているではないか。私も、同業の皆さんの後を追うように、上総中野方向に向かっていく。歩いておよそ5分ほど。水田の畔で撮影する事に決めた。早速、標準レンズに切り替えて待機する。そして、待つ事およそ10分。大多喜から大原に向かうキハ52の観光急行列車が、前方からゆっくりと近付いて来た。
ついに観光急行列車として営業運転を開始した、いすみ鉄道のキハ52 125。
のどかな風景の中をのんびりとやって来たキハ52。御覧のように、大原方には、撮影会の時にも用意されていた、急行「夷隅」のヘッドマークを掲出していた。では、上総中野方はどうなっているのだろうか。振り向いて撮影してみる。
反対側は「きぼう」のヘッドマーク。
御覧のように、かつて修学旅行電車に掲出されていた「きぼう」のマークが再現されていた。鳥塚社長のブログを見る限り、震災復興のメッセージと併せて、昭和40年代の列車の再現を兼ねて用意されたもののようである。
最近のコメント